Column
2025年12月23日
フエはベトナム中部に位置し、雨季と乾季の差が比較的はっきりしている都市です。3月は完全に乾季に含まれ、降水量が少なく、天候が安定します。長時間の雨に見舞われる可能性は低く、観光計画が立てやすいのが特徴です。
気温は日中でおおよそ25度から30度前後まで上がります。朝晩は多少涼しさを感じることがありますが、日本の初夏に近い体感で、極端な蒸し暑さはまだありません。4月以降になると気温と湿度が一段階上がるため、3月は暑さと過ごしやすさのバランスが取れた時期といえます。
この気候条件により、フエ王宮や歴代皇帝の廟、寺院群といった屋外観光が中心のスポットでも、比較的体力的な負担を抑えて見学できます。石畳や広い敷地を歩く場面が多いフエ観光において、天候の安定は大きな利点です。
3月のフエ観光の最大の魅力は、歴史遺産を落ち着いた環境で巡れる点です。雨季には足元が悪くなりやすい王宮周辺や皇帝廟も、乾季であれば歩きやすく、写真撮影にも適した状態になります。空気が澄んだ日が多く、建築物の色合いや細部も見やすくなります。
また、香江周辺の散策やボート観光も、この時期は快適です。強い雨による増水の心配が少なく、風も比較的穏やかなため、川沿いを歩く時間を取り入れやすくなります。市内観光と自然の景観を組み合わせた行程が無理なく成立するのが、3月ならではの特徴です。
一方で、乾季は観光客が徐々に増え始める時期でもあります。祝日や週末には、王宮などの定番スポットが混み合うことがあります。そのため、主要観光地は午前中の早い時間帯に訪れるなど、時間配分を意識した行程を組むことが重要です。
3月のフエでは、基本的に通気性の良い夏服が適しています。日中は半袖シャツや薄手の長袖シャツが快適で、強い日差しを避けるために帽子やサングラスがあると安心です。屋外での滞在時間が長くなるため、日焼け対策も意識しておくと快適に過ごせます。
ただし、朝晩や冷房の効いた車内、レストランでは涼しく感じることがあります。そのため、薄手の羽織りや軽量の上着を1枚持っておくと重宝します。服装の調整がしやすい準備をしておくことで、気温差による疲労を防げます。
足元については、長時間歩くことを前提に、クッション性のあるスニーカーや歩きやすいシューズが適しています。乾季であっても日差しが強いため、水分補給用の飲み物や小さなタオルを携帯しておくと安心です。
総合的に見て、3月のフエは気候の安定性、観光のしやすさ、服装準備の容易さがそろった時期です。過度な暑さや雨を避けながら、古都フエの歴史と落ち着いた街の雰囲気をじっくり味わいたい方にとって、非常に適した観光シーズンといえます。