Column
2025年12月9日更新
コモド諸島を観光したことがある人やこれから観光するという人以外にはあまり知られていませんが、コモド島やパダール島にはピンクビーチがあります。
現地の言葉でパンタイ・メラ(赤い海)と呼ばれるピンクサンドは、どちらかというと淡いピンク色といった色合いです。この色の正体は、近海の赤サンゴの破片や、有孔虫と呼ばれる微細な海の生き物(フォルミニフェラ)の赤い殻が砕け、白い砂と混ざり合うことで生まれた自然のアートです。
ファッション誌『ELLE(エル)』のデジタル版が組んだ特集「世界で最も印象的なピンク色の砂浜」 において、世界の十のピンクビーチが取り上げられましたが、アジア圏で選出されたのはこのコモド諸島のビーチだけです。アジアには、フィリピン・スールー諸島のサンタクルス島にもピンクサンドビーチがありますが、残念ながら紛争地帯のため、現在観光で訪れることができません。この事実が、コモド諸島のピンクビーチの持つ稀少性を際立たせています。
つまり、世界最大のトカゲとして知られ、恐竜の末裔とも言われる「コモドドラゴン」は、アジアで唯一ピンクビーチを持つ島に生息しているという、非常に珍しい環境の中で暮らしているのです。 野生動物にとって浜の色は関係ないかもしれませんが、旅行者の立場からすれば、世界でも限られた自然現象と、太古から生き続ける生物を一度に見ることができる??まさに“奇跡のような体験”です。 この二つを同じ日に巡るツアーも多いのですが、現地を知る立場からすれば、1日で済ませてしまうのはもったいないほど価値のある景観と出会いだと感じます。
さらに詳しく見ると、コモド諸島にはピンクビーチが3か所あります。コモド島に「ショートビーチ」が1つ、パダール島には最も知られた「ピンクビーチ」と、隣に位置する「ロングビーチ」があります。
通常の1日ツアーではパダール島のピンクビーチを訪れることが多いのですが、ツアー内容によってはコモド島側に立ち寄る場合もあります。
ただ、現地の印象としては、観光客の人気が高いのは「ロングビーチ」。広い砂浜と落ち着いた環境が魅力で、静かに海を楽しみたい方には特におすすめです。
サラトラベルのツアーでは、プライベートチャーターの場合、訪問先のピンクビーチをお選びいただくことも可能です。
せっかく訪れるのであれば、コモドドラゴンの棲む島と、世界でも数少ないピンクビーチをそれぞれじっくりと堪能していただきたい??それが、現地でお客様をお迎えしてきた私たちの率直な思いです。