


Column
2025年7月30日
サラのコラム
台湾にいると、よく「きまじめな文化が残っている」と感じます。
たとえば、コロナが明けてだいぶ時間が経ちますが、台湾の地下鉄車内ではいまだにマスクをする人が多いですし、駅の公衆トイレで念入りに液体石鹸で手を洗っている姿を見かけたりします。
日本は公衆衛生にかなり気を使った国だというのは世界でも知られた事実ですが、私には台湾の方がこういった部分は上なのではないかと思えてなりません。
日本統治時代、台湾に赴任した日本人にはまじめな役人が多かった印象ですが、灌漑用水で有名な八田與一に限らず、優秀な技術者が多く渡台したのでしょう。また、台湾に対し同化政策をとる過程で、模範たろうとした日本人が多かったということもあるのでしょう。
さすがに統治時代の話と現在の台湾を結びつけるのは無理があるでしょうが、きまじめな日本人の伝統と台湾には何かしら一致があると見るべきなのかもしれません。
アジア圏で旅行会社を営む私にとってはまじめすぎて辟易することも度々ありますが、関係者にも非常に真面目なタイプが多いです。きまじめな台湾人に出会うと、日本人の中にはどことなく懐かしい気持ちにさせられる人もいるでしょうし、そういった意味でも日本と台湾は近しい国だといえそうです。
台湾には多くの日本人観光客が訪れますが、こういった視点で台湾を見る人も多くない気がします。次回台湾にいらっしゃったら、台湾人の奥底にある日本人との共通項を見てみてください。きっと、台湾がもっと身近に感じられるのではないかと思います。