


Column
2025年8月25日
サラのコラム
台湾には良い温泉が湧出しています。日本統治時代に湯治目的で開湯された温泉場が多く、そのため日本人好みの湯の使い方がされているところが多いです。
日本ではかつて大量送客による温泉ブームがあり、多くの温泉が涸れ、またその過程で循環システムを採用する温泉地が多く、生まれたての温泉を楽しめる機会はそう多くありません。
一方、台湾では、まだまだ昔ながらの源泉かけ流しで提供されている温泉が多いので貴重です。今回は、日本統治時代に台湾四大温泉と呼ばれた北投温泉、陽明山温泉、関子嶺温泉、四重渓温泉のうち陽明山温泉を除いた3つの温泉をご紹介したいと思います。
台湾の温泉の特徴をひと言でいうならば、炭酸水素塩泉が多いということです。かつて重曹泉と呼ばれた美肌の湯というべき温泉で、弱アルカリ性のぬるぬるしたお湯で、女性向きだといえそうです。
その温泉の泉質から爽快感が残る湯上り、匂いもさほどなく、過度に火照るわけでもないので、入りやすいお湯だというのが特徴です。
泥湯で有名な関子嶺温泉は、台南から嘉義寄りの山間部にあります。
台湾では珍しい強いねずみ色をした温泉で、日本では霧島や阿蘇方面に同様の色をした温泉がいくつもありますが、そちらは火山性ですので同系というには無理があるかもしれません。
関子嶺温泉も炭酸水素塩泉でして、匂いと見た目と体感のギャップが大きいので不思議な感覚になりますが、いずれにしても良泉です。日本ではこういうギャップの強い温泉はエメラルドグリーンでありながら、強い硫黄臭がある国見温泉ぐらいしかないかもしれません。
温泉旅館はいくつも立ち並んでいますが、やや寂れた温泉地で閉鎖になっているところもちらほら。その中で豊富な湯量を誇るキングスガーデンヴィラが人気。日帰り入浴施設も備え、総合スパ施設になっていますが、せっかくなのでヴィラに宿泊し、個室風呂で時間を気にせず楽しみたい。すばらしいお湯でちょろちょろ出しておけばかけ流しで100%の温泉を満喫できます。
また、少し歩きますが徒歩圏内に食堂が数軒ありますので、夕食にも困りません。日本だったらこういうほんものの温泉は観光旅行を兼ねてまわることが難しいですし、台南で少し時間に余裕を持たせて、温泉場で夜を過ごしてみてはいかがでしょうか?
高雄から墾丁方面に向かい、山あいに少し入ると歴史のある四重渓温泉があります。こちらも旅館が立ち並ぶ小さな温泉場ですが、何といっても高松宮殿下が新婚旅行で逗留された清泉旅館に泊まりたい。
多くの旅行者が屏東のビーチ沿いに泊まるようですが、アクセスもそう悪くありませんし、和風温泉旅館に泊まるのもおすすめ。
こちらは客室は普通の旅館のようですが高級旅館の部類に入り、まずまず宿泊料金はかかります。その中でも、1階の和室に泊まるべきです(オンライン宿泊サイトで取り扱いがありません)。古き良き昭和の旅館のようでどこか懐かしく、また立派な内湯が備わっているのでとても雰囲気が良いです。
こちらは夕食をとるレストランが少ないので、できたら予約して旅館で済ませましょう。朝食は種類は限られていますが、味わい深い健康的なメニューのビュッフェ。懇丁方面はすべてまわると高雄から日帰りのしにくい観光地ですので、少し寄り道して四重渓というのも思い出に残る南部旅行になりそうです。
ご存じ北投温泉ですが、宿泊料金が高いのと、台北からすぐの距離にあるので、物価が高騰している台湾旅行を考えると悩むところですね。そこで湯めぐりをするには日帰り入浴にしてしまうという方法があります。
特に加賀屋の日帰り入浴は個室を貸切ることができておすすめ。こちらは前述した2つの温泉とは異なり火山性の温泉で火照りますので、少しクーリングが必要ですが、体感も十分です。また、個室ですので水着も不要ですし、大きな浴槽でゆったり入れます。
また、休憩所にはお茶やお茶請けまで用意されていてくつろげます。館内の雰囲気は高級そのもの、日帰りでラグジュアリーな時間を過ごせるのはポイント高いです。
ちなみに、通常台湾の日帰り入浴は2人で入るものなので、加賀屋の予約も2人で入れる必要がありますが、おひとり様で問題なく入浴できますので、ご心配なく。
今回は3つの良泉をご紹介しました。
台湾にはここで紹介した以外にも、烏来温泉や礁渓温泉などオリジナルティあふれる多くの温泉があります。またいずれご紹介したいと思います。ご興味がある方はぜひ調べて行かれてみてくださいね。