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知られざるフローレス海の生態系
コモド諸島が世界に誇る海の豊かさ

2025年12月6日

コモド諸島旅行はサラトラベルコモド

美しいフローレス海に生息する様々な海洋生物たちも大きな魅力

コモド諸島の名前を聞くと、コモドドラゴンを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、現地で実際に海に触れた人が驚くのは、陸よりもむしろ海の豊かさです。透明度の高い水と複雑な海流が交差するフローレス海は、世界でも指折りの海洋生態系を持つ海域として知られています。初めて訪れる旅行者だけでなく、何度もコモド諸島を訪れるダイバーたちが口を揃えて「世界でもトップクラス」と称賛する理由が、この海には確かに存在します。

本記事では、国立公園レンジャー、現地ガイド、船長などの一次情報をもとに、フローレス海の生態系の魅力をできるだけわかりやすい形で紹介していきます。コモドドラゴンとは異なる、もう一つのコモドの主役である“海の世界”を知ることで、この地域の価値がより立体的に理解できるはずです。

フローレス海はなぜ特別なのか

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フローレス海が世界的な海洋ホットスポットと呼ばれる理由のひとつが、海流の存在です。この地域には、インド洋から太平洋へ向かって大量の海水が流れる「インドネシア通過流」という海流があり、これが海の栄養分を運んでいます。複数の海域から異なる温度や塩分の水が入り込むため、豊富な栄養を含んだ海水が絶えず循環し、それが生き物たちの生活を支えています。

コモド諸島周辺は、深く落ち込む海底の谷と浅瀬が複雑に入り組んでおり、海流がその間を通り抜ける際に多くの生物が集まります。とくにプランクトンが豊富に集まる場所では、大型のマンタや群れをつくる魚が見られる機会が増えます。島の地形そのものが海の流れと連動しており、海流と生態系が密接に結びついているのがフローレス海の特色です。

透明度が高いこともこの海域の魅力です。乾季の晴れた日には、水深十メートル以上の海底がはっきり見えるほど透明度が良く、海の底に広がる白砂やサンゴが光を反射して明るい景色をつくります。海が青く澄み渡る光景は、写真や映像では伝えきれない美しさで、多くの旅行者にとって印象深い体験となります。

コモドに生きる多様な海の生物

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フローレス海の豊かさを語るうえで欠かせないのが、そこに暮らす生物の多様性です。コモド諸島は「世界の海洋生物多様性の中心」とも呼ばれる地域の一部であり、サンゴ、魚、海の哺乳類など、さまざまな生き物が共存しています。

サンゴについては、テーブル状のサンゴ、枝状のサンゴ、丸みを帯びた塊のサンゴなど、形や色の異なるサンゴが高密度で生息しています。サンゴがつくる複雑な隙間には、小さな魚やエビ、カニなどが棲みつき、海の中に立体的な“街”を形成しています。サンゴは海の生態系の土台となる存在であり、その多様性が海全体の豊かさにつながっています。

大型生物では、マンタ、ウミガメ、イルカが代表的です。マンタはプランクトンを求めて水面近くを回遊し、条件が整えば何匹ものマンタが同じ場所に集まる光景が見られます。ウミガメは海草や海藻を食べながら広い範囲を移動し、息継ぎのために水面に上がる姿はシュノーケリング中にも比較的よく観察されます。イルカは船の周囲に集まり、並走して泳ぐことがあります。

さらに回遊魚の群れも圧巻です。ギンガメアジが渦を巻くように集まり、銀色の体が光を反射しながら動く様子は、海の中でしか見られない壮大な景色です。バラクーダが一直線に隊列を組んで進む姿も迫力があります。

小さな生物では、ピグミーシーホースのような珍しい生物がサンゴの間に隠れて生活しています。これらの生物は小さいため、初心者には見つけにくいですが、ガイドが指し示してくれることでその存在に気づけることがあります。大きな生物から小さな生物まで、幅広い生物が同じ海に生きていることは、フローレス海の豊かさを象徴しています。

潮の流れがつくる“変化する海”

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フローレス海の海況は潮の流れによって大きく変わります。現地ガイドや船長は、その日の潮汐表を確認しながらツアーを計画しています。潮の満ち引きは海の透明度や生物の動きに影響し、同じ場所でも時間帯によってまったく違う海の姿を見ることができます。

たとえば、プランクトンが集まりやすい時間帯にはマンタが多く現れ、透明度が高い時間帯にはサンゴの景観がより鮮明に見えます。潮の流れが速い日は回遊魚の群れが動きやすく、潮が落ち着いた日はウミガメの姿が見られることが多くなります。

潮の流れが速すぎるとシュノーケリングには向きませんが、逆に穏やかな時間帯を選べば、初心者でも安心して海を楽しむことができます。このように、フローレス海の海況は常に動いていて、その変化が海の生態系を豊かにし、観光客にとっても魅力的な体験につながっています。

場所ごとに違う海の魅力

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コモド諸島の海は、場所によって表情が大きく異なります。どの島にも特徴があり、訪れる場所ごとに違った生物や景色に出会えるのが魅力です。

マカッサルリーフ(マンタポイント)ではマンタがプランクトンを求めて集まることがあり、マンタがゆっくりと輪を描くように泳ぐ姿は多くの旅行者の心に残る体験となっています。マンタが見られるかどうかは海流とタイミングに左右されますが、条件が合えば間近で観察できることがあります。

タタワ島周辺には海草が豊富に生えており、小さな生物が多く暮らしています。ピグミーシーホース(タツノオトシゴの一種)など、珍しい生物が見られることもあります。海底が白砂の場所では太陽の光が反射し、明るく穏やかな海の景色が広がります。

パダール島の周辺は回遊魚の通り道になることがあり、タイミングによっては大きな群れが移動する様子が見られます。サンゴの密度も高く、多様な生物が集まる場所として知られています。

このように、島ごとに異なる海の特徴は、コモド諸島の海を何度訪れても飽きない理由となっています。初めての旅行者もリピーターも、それぞれの海で新しい発見に出会うことができます。

海を守るための現地の取り組み

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フローレス海の豊かさは永続的なものではありません。観光客が増加するにつれて、サンゴや生物への影響が懸念されるようになり、国立公園は保全と観光の両立を目指した取り組みを進めています。

たとえば、船がサンゴを傷つけないようにするために浮き桟橋(mooring)が設置されています。これにより、アンカーがサンゴを破壊するリスクが大幅に減少します。また、観光客がサンゴや生物に触れないよう注意が促され、シュノーケリング中も海底に立たないようガイドが案内しています。

現地の漁師たちも伝統的なルールを守り、必要以上の漁を行わないよう配慮しています。海と共に生きる人々の姿勢は、観光が盛んになった現在でも変わっていません。観光客がその姿勢を理解し、自然を敬う気持ちを持つことで、この海の豊かさは未来に引き継がれていきます。

フローレス海を楽しむための実用的なポイント

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フローレス海の魅力を十分に楽しむには、いくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。まず、シュノーケリングは午前中のほうが透明度が高く、海中の景色が見やすくなります。また、風が強い日は波が高くなるため、ガイドの判断に従って安全に楽しむことが大切です。

マンタを見たい場合は、潮の流れが穏やかでプランクトンが多い時間帯を狙うと成功率が上がります。ウミガメは浅瀬の海草地帯に現れやすく、静かに周囲を見渡すと姿が見つかることがあります。

写真撮影では、太陽の角度を意識すると海の色がより鮮やかに写ります。逆光になると色が薄くなるため、太陽を背にするか、横から光が入る時間帯を選ぶと良いでしょう。

海を楽しむ際は、自然への配慮も忘れてはいけません。サンゴに触れない、海に物を捨てない、音を立てて生物を驚かせないなどの基本的なマナーを守ることで、豊かな海の生態系を守ることができます。

フローレス海はもう一つの“主役”

コモド諸島を訪れる旅行者の多くが驚くのは、陸上の迫力とは別に、海の中が持つ豊かな生命力です。フローレス海は、複雑な海流と多様な地形が組み合わさることで、世界でも稀なほど多様な生物が共存する海域を形成しています。マンタ、ウミガメ、イルカ、サンゴ、群れで動く魚たちなど、多くの生物が生きるこの海は、コモド諸島のもう一つの主役と言える存在です。

豊かな海を守りながら観光を楽しむためには、現地の取り組みを理解し、旅行者自身が自然を尊重する姿勢が重要です。本記事が、フローレス海の魅力を深く理解し、安全で価値ある体験につながるきっかけとなれば幸いです。

執筆者: Sara Hashimoto

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